ブリュージュへ行ってきた

すでに先週末の話になるが、イースター休暇の最後に日帰りでブリュージュへ行ってきた。
ベルギー旅行では鉄板の観光名所だが、住んでいると何故かなかなか行かない。行こうと思えばいつでも行けると思ってしまうと、かえって足が向かなかったりするので、今回は「よし、行くぞ!」と心に決めて(笑)出かけることにした。



ブリュージュといえば、北のベニスと言われるほどの運河の街。というわけで、お約束のようにボートに乗って運河巡りをした。予報ではそこそこ晴れるはずだったのだが、実際にはずっとうす曇りで、青空がほとんど見えないのが少し残念。でも、ブリュッセルにはない風景を楽しむことができた。

ゲントという街もブリュージュと成り立ちがよく似ていて、そちらの方へは割とよく行くのだが、ゲントはもう少し生活臭…というか、現代における経済活動の雰囲気が強く、ブリュージュほど中世っぽい街並みは残っていない。かつては同じように繁栄し、栄華を競い合ったらしいが、ゲントがその繁栄を長く維持したのに対し、ブリュージュは実は、割と早くに落ちぶれてしまったのだ。だが、落ちぶれたが故に近代的な再開発が進まず、かえって中世の街並みを保存することにつながって、現代ではベルギー随一の観光都市として賑わっているのだから、何が幸いするか分からないものである。
というわけで、運河めぐり以外にも街中をあちこち散策してみた。

↓こちらは街の中心部にそびえる聖サルバドール大聖堂の内部。

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ゴシック様式の荘厳な大聖堂で、天井が高い高い。18ミリの広角レンズを持って行って正解だった。乳白色の壁に赤褐色の柱がアクセントになって美しい。天を目指そうとする信仰のココロを表しているようだ。

↓同じく街の中心部、マルクト広場にそびえ立つ鐘楼。

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中世には、街の繁栄ぶりを鐘楼の高さによって競っていたらしく、往時のブリュージュの栄華を象徴する存在である。この鐘楼は時計の上まで登ることができるのだが、昼近くには中庭に長蛇の列ができていたので、いったんは諦めて昼食をとることにした。

↓食事のために入ったレストランの内部。

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ご存知のように、ベルギーは各都市・各地方に多用な地ビールがある。このレストランではカウンターの上に、こうしてズラリと地ビールの瓶が並べられていて、なかなか壮観だった。料理の写真はパスしたが、港町(ブリュージュは運河で海とつながっている港町なんです!)ということで、オススメのシーフード・グラタンを賞味。美味しかったよ

午後になって入ったのが、聖血礼拝堂。キリストの血がしみ込んだ羊の皮を保存しているという古い教会である。週末の午後、一定の時間帯だけ、その聖なる血を一般に公開しているというので行ってみた。
↓これは、その1階にある下部礼拝堂。

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分厚い壁に半円形のアーチを持つ小さな窓。もうカンッペキにロマネスク様式で、内部はかなり薄暗い。たいていの古い教会堂は、その長い歴史の中で増改築を繰り返し、ゴシック様式を採り込んでいる(あるいは完全に変遷している)ことが多いので、こんなに完全なロマネスク様式の礼拝堂はちょっと珍しい。
肝心の「聖血」を公開しているのは二階にある礼拝堂の方だが、そちらはやっぱりゴシック様式を採り込んでいて、ステンドグラスの入った大きな窓があり、これほど暗くない。聖血の拝観は撮影禁止ということだったので写真はないが、奥の壁際の一段高くなっている場所に女性聖職者が座っていて、一人ずつその前に進み出て拝観する。私も一応しかつめらしい顔をして拝見してきたが、ガラスの筒のようなケースに、なんか赤黒いものが染みついたコキタナイ布のようなものがくしゃっと入っていて、ゴメンナサイ、キリスト教徒ってワケでもないので、正直に言ってよく分かりません。
(だいたい私は、神様が一人しかいない宗教は好かんのだ。ウチの神様が唯一絶対だなんて主張し合うから戦争になるんだよ。日本人は宗教に鈍感だとか言われるが、もともと八百万も神様がいるから、ひとりふたり増えたところで屁のカッパなだけと思う)

さて、他にもあちこち歩き回った後、午後4時半ごろになって先の鐘楼に戻ってみたら、順番待ちの行列がずいぶん短くなっていたので、じゃあ上ってみようかということになって最後尾に並んでみた。ところが、少し列が進んだところでチケット売り場のおばちゃんが出てきて、「チケットの販売は午後5時に締め切りだけど、ここからチケット売り場にたどりつくまで25分ぐらいかかっているので、並んでいても入場できない可能性があります」と大声で宣言。これを聞いて、列を離れる人もちらほらと出てきた。私なんかもワリと早々にあきらめ気分になったのだが、夫はむしろ面白がって「最後まで並んでいてみよう」と言う。まあ確かに、さほど遠くでもないからまた来よう…などと言っても、近いだけに滅多に来ないことは現実が証明しているし、煙と何とやらで高い所は嫌いじゃないので、夫の言葉に従ってイチかバチか待ってみることにした。
塔の中は人数制限があるらしく、出てきた人数分しか新規入場させないシステムになっているため、列はなかなか前に進まない。おばちゃんはその後も5分おきぐらいに出てきて同じセリフを繰り返し、そのたびに少しずつ列を離れる人が出るが、新たに来た状況を知らない人が後ろに列を作る。だから行列の長さは変わらないのだが、我々の位置は相対的に前進していくようだ。いつしか我々のすぐ後ろは日本人のご夫婦になり、これがまた感心するほど辛抱強く並び続けていらっしゃる。
やっとこ入り口の内側に入ったところで、なんとそのご夫婦の背後で入り口のドアが閉められ、後続の人々は門前払い 我々は間一髪の最終入場者となり、見知らぬ同士ながら、思わずそのご夫婦と「イェ~イ!!!」と叫んでハイタッチをしてしまった。

↓忍耐が報われて、ようやく登った鐘楼の上からの眺め。

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はるか遠くまで平坦な風景の中に、ふたつの塔が屹立する。左が聖母教会、右が聖サルバドール大聖堂。窓には金網が張ってあるので、身を乗り出すこともカメラを突き出すこともできず、真下にあるマルクト広場はほとんど見えない。でも高さは実感できると思う。ちなみに、この写真とは反対の方角を見ると、海へとつながる大運河(ボードワン運河)が見えて、ここが実は港町だということを実感する。

鐘楼からの眺めを一通り満喫して下に降りたところで、最後まで残って粘り勝ちした仲間として、先の日本人ご夫婦と記念撮影。プライバシー保護のため、顔の部分は加工しています。

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ちなみに、このおお二人については特にお名前を伺ったり、連絡先を交換したりはしなかった。イマドキは些細なことでもメールだのSNSアカウントだのを教え合ったりする人が多いが、旅先で一時的に同じ感慨を共有したからといって、そういう個人情報を交換する必要性を、私はさっぱり感じない。もちろん、その一時的な共感は貴重で面白い体験ではあるが、それぞれが地元に帰ってからの土産話のタネに、その場で記念写真の一枚も撮れば充分で、あとは「袖ふれ合うも他生の縁」ってことにしておく方がステキな気がするのだ。

というわけで、鐘楼の足元でそのご夫婦とお別れした後は中心地を離れ、駅の方向へ戻りながら街並みを見物。途中で地元の人たちが集うカフェに立ち寄って、この街の地ビールを一杯。
↓ブルーグス・ゾット。

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「もやしもん」というマンガで紹介されていたのを読んで興味を持ったのだが、ブリュッセルでこれを出しているカフェはほとんどない。それでもスーパーでビン入りのヤツを買えるので、いちおう飲んだことはあるのだが、今回せっかく地元にきたので樽出しを飲んでみた。
ビン入りのやつはグラスに注ぐと少し白く濁っているのだが、樽出しのものは完全に済んでいる。クセは少なく、それでいて麦芽のまろやかな甘みがあって、アルコール度数もベルギービールの中ではそう高くない。道化のマークも味があってキュートだ。下戸に近い私でもグラス一杯なら美味しく飲める。
夫も気に入ったようで、おかわりを頼んでいた。

そんなこんなで盛りだくさんの日帰り旅行となり、楽しい一日だった。
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